openSUSE Tumbleweed

リリースノート

発行日: 2017-07-24, : 84.87.20170713.6d2142e

1 インストール
2 全般
3 テクニカル
4 さらに詳しい情報とフィードバック

1 インストール

1.1 UEFI—Unified Extensible Firmware Interface

UEFI (Unified Extensible Firmware Interface) を利用して起動するシステムに
openSUSE をインストールする場合、事前に製造元が推奨するファームウエア更新を必ず
チェックし、可能であればインストールしておくことを強くお勧めします。 Windows 8
がプレインストールされているマシンの場合、お使いのシステムが UEFI である可能性
が高いものと思われます。

背景: UEFI のファームウエアによっては、 UEFI のストレージ領域に多くのデータが書
き込まれることで、起動に失敗してしまうバグを抱えています。もちろんこれはバグで
あるため、どれだけ "多くの"データを書き込むことで問題を発生させるのかは、誰にも
わかりません。 openSUSE では、 OS を起動するのに最低限必要となるデータ (UEFI に
対して、 openSUSE のブートローダの場所を示すための情報) しか書き込まないように
することで、このバグの発生を最小化しています。 Linux カーネルのオリジナル版では
、 UEFI のストレージ領域に起動やクラッシュに関する情報を書き込む機能 (pstore)
がありますが、openSUSE の既定では無効化しています。ただし、バグである都合上、ハ
ードウエアの製造元が推奨するファームウエア更新については、必ずインストールして
おくことをお勧めします。

1.2 UEFI, GPT, MS-DOS の各パーティションについて

EFI/UEFI の仕様には、新しい形式のパーティションテーブル GPT (GUID パーティショ
ンテーブル) が定義されています。この新しい方式では、ユニークな GUID (識別子; 32
桁の 16 進数で表わされる 128 ビットの値) を利用してデバイスとパーティション種別
を識別します。

これに加えて、 UEFI の仕様では古い MBR (MS-DOS) 形式のパーティションテーブルに
も対応しています。 Linux のブートローダ (ELILO, GRUB2) では、これらの古い形式の
パーティションに対して、自動的に GUID を割り当ててファームウエア内に書き込もう
とします。この場合、 GUID は頻繁に変更されるものであるため、ファームウエアへの
再書き込みも頻繁に発生することになります。この再書き込みには 2 つの操作、具体的
には古い項目の削除と、それを置き換える新しい項目の作成を行ないます。

新しいファームウエアでは、削除された項目を収集して古い項目用に確保したメモリを
解放する、ガーベージコレクタ機能が用意されています。ファームウエアに不具合があ
ると、これらの古い項目を収集できなかったり、メモリを解放しなかったりする場合が
あり、これにより起動が不可能になる場合があります。

このような場合は、古い MBR 形式のパーティションを新しい GPT 形式のパーティショ
ンに更新して、問題を回避してください。

2 全般

2.1 LUKS で暗号化されたパーティションが設定されているシステムでの起動問題につい
て

環境によっては、 Plymouth がパスフレーズのプロンプトを正しく表示しない場合があ
ります。この問題を修正するには、カーネルのコマンドラインに plymouth.enable=0 を
追加してください。詳しくは https://bugzilla.opensuse.org/show_bug.cgi?id=966255
をお読みください。

3 テクニカル

3.1 印刷システム: 改善点と互換性を失う変更について

CUPS バージョン 1.7 へのアップグレードについて

バージョンが新しくなったことにより、 CUPS はバージョン 1.5 と比較して大きな変更
が加えられています。これによって、設定を手作業で修正する必要があるかもしれませ
ん

  • 現在は標準の印刷ジョブ形式が PS ではなく、 PDF になっています。そのため、旧
    来の PostScript プリンタで印刷を行なう場合は、新たにフィルタを設定する必要
    が生じています。

    詳しくは http://ja.opensuse.org/印刷処理 (http://ja.opensuse.org/印刷処理)
    をお読みください。

  • ネットワークプリンタを検出するためのプロトコルが変更されています。ネイティ
    ブな方式は、新たに DNS Service discovery (DNS-SD (Avahi 経由)) をベースにし
    たものになっています。 cups-filters パッケージに含まれる cups-browsed サー
    ビスを利用することで、古いプロトコルと新しいプロトコルの橋渡しを行なうこと
    ができます。また、 "古い形式の" クライアント (LibreOffice と KDE を含みま
    す) からプリンタを検出する場合についても、 cupsd と cups-browsed の両方を動
    作させる必要があります。

  • IPP プロトコルの既定のバージョンが、 1.1 から 2.0 になっています。 CUPS
    1.3.x (たとえば SUSE Linux Enteprise 11 など) の古い IPP サーバは、 IPP 2.0
    のリクエストを "Bad Request" として拒否してしまいます (詳しくは http://
    www.cups.org/str.php?L4231 (http://www.cups.org/str.php?L4231) をお読みくだ
    さい) 。

    古いサーバで印刷できるようにするには、下記のいずれかの箇所に '/version=1.1'
    を追加して、バージョンを明示してください:

      □ client.conf 内の ServerName 設定 (たとえば ServerName
        older.server.example.com/version=1.1 のように)

      □ CUPS_SERVER 環境変数の値

      □ コマンドラインツールの場合、 -h で指定するサーバ名の値 (たとえば

        lpstat -h older.server.example.com/version=1.1 -p

        のように)

  • いくつかのフィルタおよびバックエンドが cups パッケージから cups-filters パ
    ッケージに移動されています

  • いくつかの設定ディレクティブが、 cupsd.conf から cups-files.conf に分離され
    ています (それぞれ http://www.cups.org/str.php?L4223 (http://www.cups.org/
    str.php?L4223) , CVE-2012-5519, https://bugzilla.opensuse.org/show_bug.cgi?
    id=789566 (https://bugzilla.opensuse.org/show_bug.cgi?id=789566) をお読みく
    ださい) 。

  • CUPS のバナーとテストページについては、 cups パッケージから cups-filters パ
    ッケージに移動されています (詳しくは http://www.cups.org/str.php?L4120
    (http://www.cups.org/str.php?L4120) と https://bugzilla.opensuse.org/
    show_bug.cgi?id=735404 (https://bugzilla.opensuse.org/show_bug.cgi?id=
    735404) をお読みください) 。

4 さらに詳しい情報とフィードバック

  • CD 内の README をお読みください。

  • また、特定のパッケージに対する詳細な変更点を RPM パッケージから表示するには
    、下記のコマンドを実行します:

    rpm --changelog -qp <ファイル名>.rpm

    ここで、 <ファイル名> には RPM のファイル名を指定します。

  • また、 DVD のルートディレクトリには ChangeLog ファイルがあります。ここには
    、更新されたパッケージに対する全ての変更点が時系列順に並んでいます。

  • それ以外にも、 https://activedoc.opensuse.org/ には追加/更新されたドキュメ
    ンテーションがあります。

  • openSUSE からの最新の製品情報を読むには、 http://www.opensuse.org をご覧く
    ださい。

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openSUSE チームより。

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